先日、紀伊半島で大水害が発生しました。 私にとっては、あの辺はなじみ深い場所で、大学生の時、地質調査をするため、一人で山奥で3ヶ月も生活したところなのです。

これは旧熊野川町の日足地区の惨状です。ここは旧熊野川町の中心で町役場のあったところです。 おそらくこの標識の下あたりに国道168号線があるものと思われます。
↓は災害前です。

いかに水位の上昇がすさまじかったかがわかります。
私はここから10Kmくらい山に入った集落に下宿していました。(小口集落といいます) さらにその山奥に小さい集落が点々と散在していました(各集落に児童10人未満の小学校がありました)。
当時は日足に出なければ新宮方面にいけませんでしたが、その後、古座川や那智勝浦方面へ道路が開通したと聞きました。(といってもすさまじい山岳林道ですが)
おそらくあの状況ですから、その道もやられているでしょう。それこそ山の上を通っている熊野古道を通って歩いて入るしかないのではないでしょうか。そんな状況が本宮や十津川方面にまで広がっているのですから、到達するのは東日本大震災よりも困難な気がします。
小口あたりの人々がどうしているかとても心配です。下宿先のおばさんが「自然ほどおそろしいものはないわ」と言っていました。そのときはピンとこなかったのですが、その意味がわかりました。
今回の災害では「深層崩壊」が多発したため、被害が大きくなったとのことです。↓

本来この辺の岩盤は、硬い岩石なはずですが、そのようなところでは深層崩壊がおこるとは考えにくいです。また、発表された写真を見ると、地質はカチカチの岩盤には見えません。恐らく断層破砕帯か、古い地すべり地がすべったものと思われます。私の地質屋としてのカンでは、地質調査によって、ある程度危険箇所は把握できるような気がします。
紀伊半島と同じような地質は、関東地方から中部、近畿、四国に連続しています(四万十帯という)。この山はフィリピン海プレートの移動する力によって圧縮されて隆起し、今でもそれが続いているので断層が多く、崩壊を起こしやすいのです。
日本中で同じような災害が起こるものと考え対策をたてる必要があるでしょう。
テーマ:地震・天災・自然災害 - ジャンル:ニュース
|